学際的な学びから未来への希望が ~患者にとって治療は何か~|松山市の鍼灸院|半身不随、うつ病、がん、不妊症

中医鍼灸 越智東洋はり院

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学際的な学びから未来への希望が ~患者にとって治療は何か~

掲載原稿一覧 2015年07月01日

私は開業鍼灸師です。日常の臨床の中で、どうして最近こんなに心を病んだ人が多いのだろうか、人間の心というものはどのようなものだろうか、心と体との関係はどのようになっているのだろうか、といった疑問を持ちながら日々の生活に追われていました。
そんな時、放送大学という学習の場を得たことは、私にとって自分が何をしたいのか、何をすべきなのか、どのようにすべきなのか、という未来への方向性を示してくれる重要な場となりました。

私が業としている鍼灸は、約三千年ぐらい前に中国で陰陽五行学説をその理論の基礎として、先人たちの経験を積み重ねる中で生まれた経験的な医学です。身体だけでなく、心の側面や生活習慣など、総合的に診察し、また、病気になる前の状態から、病気の予防や健康の維持にも効果的であるといった特徴があります。
しかし、鍼灸は目に見えない「気」を治療の対象としているため、科学的ではないという批判を受けることがあります。そのため業界をあげて伝統的な鍼灸から科学的な鍼灸への変換に取り組んでいるところです。

しかし、西洋医学で重視する化学的医療、EBM(根拠に基づいた医療)というものの限界もまた明らかとなってきています。そのような流れの中で、欧米では自然と人間野関係を重視した鍼灸に対する期待が益々高まってきています。

私は、放送大学で『看護学』を学ぶ中で、「患者中心」、「全人的な医療」という視点から「病気」とは何か、「治療」とは何か、といった新たな見方を学びました。
このような視点から現代医療を考えると、根拠に基づく治療の根拠とは何か、患者にとっての治療とは何か、といった疑問が生まれてきます。

東洋医学は心身一如ということを最も重視してきた医療です。正に「患者中心」、「全人的な医療」を実践する中でその理論が作られてきたと言っても過言ではないでしょう。
私たち鍼灸師は、この特徴を診断から治療に至る過程の中で表現し、客観的にその効果を可視化し社会に紹介していかなければなりません。これは鍼灸がアカウンタビリティを持つことを意味し、統合医療という医療の流れの中で鍼灸が西洋医学の補完医療としてどのような役割を果たせるのかが問われていることでもあります。
このことを実現するための前提として、鍼灸の効果を西洋医学の尺度で正しく評価できるのだろうか、人間の身体を現在の評価法で正しく捉えているのだろうか。このような疑問も放送大学での学びの中から生まれてきた疑問です。

私が主に学習した心理学は目に見えない心というものをいかに可視化するのかということを研究している学問です。
この心理学の手法を用いて鍼灸が対象としている「気」というものを可視化することはできないだろうか、また人間の状態を西洋医学で用いられる評価法ではなく、東洋医学に合った心身一如を基本にして全人的医療という視点からの新たな評価法があるのではないだろうか、と現在研究しているところです。

ここまで大変大きなテーマについて述べてきましたが、このような考えに至るには放送大学という学際的な学びができる場があったからです。
放送大学では、最新の様々な分野の学習ができます。このことは今まで思いもつかなかった新たな視点を私たちに与えてくれます。それは自分のこれまでの考え方を根本から覆すこととなるかもしれません。
学びは疑問を解決してくれますが、その中で更なる新たな「どうしてだろうか、知りたい」という疑問や探究心を生み出します。この学びへの動機付けが生み出すものが、自己実現に繋がり、これこそが生き甲斐、使命、宿命といわれるものであり、そこから未来への希望が生まれるのではないかと私は考えています。

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