加齢黄斑部変性|松山市の鍼灸院|半身不随、うつ病、がん、不妊症

中医鍼灸 越智東洋はり院

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眼科系

眼科・加齢黄斑部変性と鍼灸

眼科系 2015年07月23日

今回は加齢黄斑部変性の治療について当院の考え方をご紹介いたします。

加齢黄斑変性症には、大きく滲出型と萎縮型に大別することができます。滲出型は深刻なタイプの加齢黄斑変性症で、黄斑の裏側に新しい病的な破れやすい血管(脈絡膜新生血管)が形成され、ここから血液や滲出液が眼底に漏れ出します。これが原因で見えにくくなる病気です。このタイプの患者様は若い方も多く、特に西洋医学での治療法がないということで、東洋医学でどうにかならないでしょうか、鍼灸で効果的な治療はないですか、ということで、当院に来られています。

先ず当院での治療の第一の目的は現在の状態を維持すること、つまり、視力の維持ということを第一目標としています。眼科に行っても、その原因が不明なため残念ながら効果的な治療法がないのが原情です。暫く様子を見ましょうと特別な治療は行われないケースが多いようです。そのため、患者さんは視力が悪くなってしまうのではないだろうかと心配でいつも眼のことばかり気にして不安な生活をおくっています。事実、加齢黄斑部変性というように年齢とともに発症し少しずつ視力が落ちていくことが多いようです。

この精神的なストレスは体にダメージを与えます。不安感や肩や首のコリ、頭痛などの不定愁訴を訴えます。このようなケースでは、先ずは、首や肩のこりなどを改善し脳の栄養血管の1つである椎骨動脈の血流をよくし、脳全体的な機能の促進を図る治療を行います。血流が悪ければ本来持っている自然治癒力も発揮できません。また、眼の病気の時によく見られる症状の不安感、首や肩のこり、頭痛などの症状を改善することは、患者さんが安心して通院していただけるような当院と患者さんとの間の信頼関係を構築する上でも大切なことだと考えています。私はこのことが最も大事なことだと考えています。現在の状態を維持できなければ視力の改善等はとてもではありませんが、望めません。

患者さんに安心して治療していただくこと。継続して治療していただくこと。このことがなければよい効果が得られるはずはありません。

そして当院が大切にしているのは治療効果をどのように評価するのかという点です。患者さんの見え方の変化をどのように評価するのかということです。これは黄斑部変性に限ったことではありません。私が10年以上学んだ心理学から得た考え方を取り入れた一つの方向性です。

ここでは黄斑部変性を例にして説明します。

患者さんの視力だけでは正確に見え方を捕らえているとはいえません。視力は変わりないのに見え方が悪くなったと感じる方は多いのではないでしょうか。ある患者さんが治療の効果について次のように説明してくれました。「最近少し見え方がよくなったようです。網戸の網目が以前よりはっきり見えるようになったようです。」このような患者さんからのお話は大変うれしいものです。また、効果を確認する上での大変わかりやすいよい指標となります。

滲出型では、黄斑部に血管増殖がありゆがみが出ているために網戸の網目がゆがんで見えるのです。このような患者さんからの症状の変化のお話は効果を判断する重要な「質的データ」となります。ここで紹介した症状は患者様のお話から得られた黄斑部変性の特徴的な一つの質的データでしかありませんが、その病気には特徴的な治療効果の根拠となる質的なデータというものが必ずあります。このようなデータを集めることで、西洋医学とは異なった「オーダーメイドな東洋医学の評価法」を確立できるのではないかと考えています。

また、患者さんのお話を傾聴することで、お話の中から患者さんの心と身体の状態をよみとり、「当院が目指す治療である心身一如」を重視した心と身体の両面にアプローチできる治療ができるのです。これは、NBM(Narrative Based Medicine)、すなわち患者の「語り」を通じて患者の信念にアプローチしようという方法と考えることもできます。話がそれてしまいそうになったので話を黄斑部変性に戻しますが、当院では、このようなその病気に特徴的な自覚症状を患者様に尋ね、治療効果の重要な評価の根拠としています。ここまでは一般的な治療方針ということになります。

 

ここからが鍼灸の重要なところです。どのつぼを選び、どのように針を刺し、どのような刺激を与えるのか、これが中医学における「弁証論治」で表されるものですが、具体的には「理」、「方」、「法」、「穴」、「術」の後半の二つの綱領である「穴」と「術」ということになります。

「鍼灸師は職人である」と言われることがあります。鍼灸は経験から生まれた経験医学です。どのツボを選び、鍼をどのように刺すのか、これが効果を決める最も重要な鍵となります。長い経験がなければ決して得ることのできない鍼灸師の技術です。また、これが各々の鍼灸院の治療の特徴の基礎となるものです。

それでは、加齢黄斑部変性で当院がよく利用するつぼについて紹介します。

眼部のツボ(上睛明・承泣・太陽・魚腰、肩背部のツボ(肩井・膏肓・肝兪・腎兪)、上肢のツボ(合谷・手三里)、下肢のツボ(光明・三陰交・足三里)等をよく使います。
眼科疾患のほとんどの病気で用いられる「眼科疾患の特効穴」とされている睛明穴の少し上の上睛明穴での針の響きが治療効果を高めるための必須条件ではないかと考えています。針を上内方に向けて刺し、ある程度の響きを与えて、20分程度の置鍼を行います。出血しやすいつぼですので、刺針には細心の注意をはらって行っています。

話が長くなりましたので今回はこのぐらいといたします。続きは、今後また期会があれば書きたいと思います。

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