前立腺炎・前立腺肥大・骨盤内疼痛症候群と鍼灸|松山市の鍼灸院|半身不随、うつ病、がん、不妊症

中医鍼灸 越智東洋はり院

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泌尿器科系

泌尿器科・前立腺炎・前立腺肥大・骨盤内疼痛症候群と鍼灸

泌尿器科系 2015年07月26日

最近、排尿に関わる症状を訴える方が多くなったように感じる。

最も多く見られるものはもともと主訴は腰痛や坐骨神経痛でいらしているのですが、詳しく症状を聞いていくと、排尿に関わる症状である小便が出にくい・残尿感がある・排尿時痛がある・頻尿・排尿後おしっこが漏れる、などの症状を持っているケースである。
このような場合、当然主訴である腰痛や坐骨神経痛を治療していくのだが、腰痛や坐骨神経痛の治療の経過の中で、排尿に関わる症状もよくなることがよく見られる。この理由は、刺針の部位や選択するツボが排尿に関わる症状の治療と重なるところが多いからであると考えられる。
また、若い人の前立腺炎による排尿困難・射精痛が主訴で来院するケースも増えているように感じられる。
排尿に関わる病気というと、その代表が前立腺炎である。
前立腺の病気には前立腺癌、前立腺炎、前立腺肥大が主な病気だが、当院で最近、骨盤内疼痛症候群の患者さんが多くなったように感じる。
前立腺炎というと真っ先に思い浮かぶのが以前天津第一附属病院での研修である。
天津第一附属病院の鍼灸科に前立腺を専門に鍼灸治療をしている先生、たしか名前は張先生だったと思うのだが、前立腺の治療を専門にしている先生がいました。
その先生の治療は患者さんを四つんばいにして会陰穴に刺針するというものでした。当然、その他のつぼにも針を指すのですが、私は当時そのような治療を見たことがなかったので大変驚きました。この文書を読まれた一般の方は、きっと、四つんばいでこんなところへ針をするの、私は無理だと思われたことでしょう。しかし、この先生のところへ来られている患者さんはこの治療を受けるためにわざわざこの先生にお願いしたいということで来られているのです。
先生は会陰穴への刺針をしながら、その方向や深さ、針の響きなどについて説明する中で、このつぼへの刺針が最も有効であると熱心に説明してくれました。前立腺の病気には、前立腺部への響きが必ず必要で、効果的な響きを感じさせるためには、刺針の方向・深さ・手技が必要であると説明してくれました。鍼治療はどこに響きを感じさせるのかが重要なのです。このことからもわかるように、私も中医鍼灸にとって針の響きが効果を決める鍵となると考えています。
最近はこのような響きを重要視しない鍼灸師が増えています。その大きな理由は患者さんに痛くないように、安全のために、このような理由でしょう。しかし、鍼には短い物から長い物まで針の長さも太さも色々あります。長いものには10cm以上の物もあります。当院でも坐骨神経痛では、10cmぐらいの針をよく使います。
これは、坐骨神経痛などでは深い部に病巣があることが多いため、長い針を用いてその病巣部を刺激することにより、深部の血流を改善することができるからです。そのような理由からこのような長い針が必要なのです。
中医鍼治療の大きな一つの特徴は、深部に病巣がある場合に、深い部を直接刺激することができること、そしてその方法が、ただそこに指すのではなく、どのような響きを感じさせるのかにこだわって刺針することだと私は考えています。当院もこの針の響きをどのように感じさせるのかという針の刺針技術を高めるよう研究を続けて胃るところです。最後に慢性前立腺炎と骨盤内疼痛症候群とはどのようなものかについて簡単にご紹介します。下記表は前立腺炎のためのNIH(National Institutes of Health)分類(改変)です。参考にしてください。

1.慢性前立腺炎とは

特に30-40歳代の若い世代に多い前立腺の病気です。
前立腺炎とは前立腺の中で炎症が生じた状態です。細菌による「細菌性前立腺炎」と細菌がない「非細菌性前立腺炎」があります。非細菌性前立腺炎の方が多く見られます。
慢性的な炎症ですので、熱はなく症状も比較的軽いことが多いので、前立腺炎とは気付かないこともあります。

2.慢性前立腺炎の要因について

長時間のデスクワーク、長時間の乗り物での移動、長時間の自動車運転、自転車・バイク(特にスポーツタイプ)など、前立腺の機械的刺激が大きな要因です。
疲労、ストレス、飲酒、冷えなどによる体の抵抗力低下もリスクファクターとなります。

3.症状について

①前立腺とは関係ないように思われる部位である下半身にも様々な症状が現れます。
②排尿症状には、頻尿、残尿感、尿の勢いが弱い、排尿後尿が漏れてくる、排尿痛、尿道の違和感
③腹部症状には、下腹部、足の付け根、会陰部(肛門の前)の鈍痛、違和感、不快感
④その他の症状として、睾丸の鈍痛や不快感。陰のうの痒み。下肢(特に太もも)の違和感、しびれ感。勃起障害(ED)の原因になることもあります。

4.検査について

・おしりから指を入れて前立腺を診察し(直腸診)、前立腺に痛みがあれば前立腺炎と診断します。正常の方は前立腺に痛みはありません。尿検査で尿に白血球(炎症細胞)の有無を、尿細菌培養検査で細菌の有無を確認します。
・最近はクラミジア(性感染)による前立腺炎も見つかっていますので、性行為があった場合は尿のクラミジア検査を追加します。
・前立腺に痛みがあっても尿検査で異常がない場合には、慢性前立腺炎(慢性骨盤内疼痛症候群)として治療を進めます。

5.予防方法について

・長時間のデスクワークや車の運転の時は、1-2時間毎に席を立つ、車から降りて体を動かす。
・自転車、バイクは最もリスクが高いのでなるべく避ける。
・疲れやストレスを貯めないようにする。
・飲酒を避け、特に症状がある時は禁酒する。
・下半身を冷やさないように気をつける。風呂などで暖まると症状が改善します。
・性感染に注意する。性行為後に症状が気になる時は直ぐに泌尿器科の受診が必要です。

下記のような症状があるときは慢性前立腺炎の可能性があります。

・排尿時や射精時に痛みや不快感を感じる
・尿道の違和感や持続痛がある。
・陰嚢と肛門の間に何となく不快感がある。
・睾丸やペニスに不快感がある
・下腹部、恥骨部ないし膀胱部に不快感がある
・ソケイ部、大腿内側部の不快感や疼痛がある。

 

表1 前立腺炎のためのNIHNational Institutes of Health)分類(改変)

分 類

症 状

急性細菌性前立腺炎

発熱、排尿痛、全身倦怠で急激に発症

慢性細菌性前立腺炎

Ⅰが慢性化したもの。再発性細菌感染としての症状を認める。

慢性非細菌性前立腺炎

頻尿・残尿感、排尿時痛(不快感)、ソケイ部・会陰部・尿道部痛など多彩。
慢性骨盤内疼痛症候群/前立腺関連疼痛症候群
 A 炎症性
 B 非炎症性
無症候性・炎症性前立腺炎 たまたま採取した前立腺液中に白血球を認めて発見されるなど、偶然発見されることがあるが、現時点では積極的に治療の必要はない。

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