睡眠障害(不眠症)と鍼灸|松山市の鍼灸院|半身不随、うつ病、がん、不妊症

中医鍼灸 越智東洋はり院

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精神・心療内科系

睡眠障害(不眠症)と鍼灸

精神・心療内科系 2015年08月20日

私たちは、人生の1/3を眠って過ごしています。眠りはよりよい明日のために脳を休め、体を準備するという巧妙にプログラムされた生理機構です。地球上の生命体は、原則として太陽光エネルギーに大きく依存しています。その生存、種の保存のためには、地球の自転(昼と夜)と公転(四季)に適応していく必要があります。

 

生物は睡眠と密接に関連するメラトニンというホルモンの作用で昼夜を区別し、四季を感じ、成熟時期や繁殖期を決定しています。このメラトニンは強い光に当たると分泌されなくなります。今日の24時間社会では、人工光によって自然環境とは異なった明暗サイクルで生活する機会が増えているため、体内リズムが乱れ、正常な睡眠がとりにくくなっています。

 

●この数十年において、日本人の睡眠時間は1時間近く短くなり、ますます夜型化の傾向が強まっています。

 

最近では不眠症あるいは睡眠不足と生活習慣病との密接な関連が注目されています。

糖尿病患者では健常者に比較して約2倍以上の頻度で不眠症状を認め、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒などの出現頻度が極めて高いことが示されています。また、健常者においては睡眠時間を短縮させると(人工的な不眠症)、朝食後の血糖値の上昇が認められるものの、この血糖上昇に対応するインスリンの分泌量上昇が認められないことが知られています。糖尿病においては、多飲による多尿、糖尿病性末梢神経障害による痛みやしびれなどの要因により不眠が高頻度に出現し、その不眠が糖尿病自体をさらに悪化させるという悪循環に陥っているものと考えられます。したがって、糖尿病患者に不眠症が認められた場合には、不眠症に対する積極的な治療を行うことが糖尿病自体の治療効果を高めることになります。

高血圧症にも同様に、一般に夜間の睡眠中は交感神経機能が低下し、血圧も日中に比較して10%程度低下することが知られています。一方、不眠症は交感神経機能の亢進を生じ、血圧を上昇させることも知られており、一晩の徹夜で最低血圧が10mmHg程度上昇するとの報告もあります。高血圧患者の約30%に不眠症が認められることが知られており、こうした場合には不眠症の治療が血圧コントロールにも有利に働くことになります。

また、睡眠不足になると、ホルモンのアンバランスが生じて肥満になる機序も解明されています。これらのことからもわかるように、適切な睡眠を確保することは生活習慣病の予防にもつながる私たちが先ず取り組まなければならない最も重要な問題なのです。

では、不眠症にはどのような種類があるのでしょうか。

●不眠症は、大きく分類して次の4つのタイプがあります。不眠症の状態によって、不眠症の克服の仕方も違ってきます。自分が、どの不眠症のタイプなのかをしることが、不眠症を克服する第一歩です。

■不眠症のタイプ

①入眠障害 寝付きが悪い、布団に入ってから寝付くまでに1時間以上かかってしまう

②中途覚醒 途中で眼が覚める、このタイプが最も多い、夜中に何度も目が覚める

③早期覚醒 早く眼が覚める、望ましい時間よりも2~4時間早く目が覚めてしまい、そのまま眠れない

④熟眠障害 熟眠度が足りない、睡眠時間は長いのに、眠った感じがしない

●当院に来られる患者さんの中にも誤った睡眠対策を行っている人がいます。 例えば、「寝る前にアルコールを飲んでぐっすり眠る」、「休日は普段の寝不足を取り戻すため遅寝する」などは誤った睡眠対策です。快適な睡眠のためと思っていても、実は間違った方法を取っていることもあります。生活習慣を変えるだけで、睡眠の質が良くなることも少なくありません。

まずは自分でできる不眠症対策からはじめましょう。下記に「睡眠障害対処12の指針」をご紹介します。

自分のできることから先ず取り組んで会的な睡眠を取り戻しましょう。

「睡眠障害対処12の指針」

①睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分

・睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない
・歳をとると必要な睡眠時間は短くなる

②刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法

・就床前4時間のカフェイン 摂取、就床前1時間の喫煙は避ける
・軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング

③眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない

・眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くする

④同じ時刻に毎日起床

・早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる
・日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる

⑤光の利用でよい睡眠

・目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン
・夜は明るすぎない照明を

⑥規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣

・朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く
・運動習慣は熟睡を促進

⑦昼寝をするなら、15時前の20~30分

・長い昼寝はかえってぼんやりのもと
・夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響

⑧眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに

・寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る

⑨睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意

・背景に睡眠の病気、専門治療が必要

⑩十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に

・長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談
・車の運転に注意

⑪睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと

・睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる

⑫睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全

・一定時刻に服用し就床
・アルコールとの併用をしない

(厚生労働省 精神・神経疾患研究委託費 「睡眠障害の診断・治療ガイドライン作成とその実証的研究班」 平成13年度研究報告書より)

最後に、不眠症によく用いられる三つのツボをご紹介します。参考にしてください。

※画像をクリックして拡大してご覧ください。

不眠症に効果的な3つのツボ

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