第13回公益社団法人日本鍼灸師会全国大会in大阪・「人は愛することで健康になれる -愛のホルモン オキシトシン-」受講報告|松山市の鍼灸院|半身不随、うつ病、がん、不妊症

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研修会・学会参加報告

第13回公益社団法人日本鍼灸師会全国大会in大阪・「人は愛することで健康になれる -愛のホルモン オキシトシン-」受講報告

研修会・学会参加報告 2017年11月15日

「人は愛することで健康になれる -愛のホルモン オキシトシン-」 高橋徳先生 受講報告

 

去る10月8日(日)に開催された第13回公益社団法人日本鍼灸師会全国大会in大阪の中で開催された高橋 徳先生(ウィスコンシン医科大学教授・統合医療クリニック高橋医院院長)の講座を受講した。テーマは、「人は愛することで健康になれる -愛のホルモン オキシトシン-」という最近NHKなどでも取り上げられ話題となっている幸せホルモン、愛情ホルモンなどと称されているオキシトシンの効果についてのお話でした。

高橋徳先生はアメリカのミシガン大学、デューク大学、ウィスコンシン医科大学などでストレスに関する研究をする中で、ストレスが加わると、CRF(副腎皮膚刺激ホルモン放出ホルモン)が増え、そのCRFを抑えるには、オキシトシンという脳内物質を放出させることが有効であり、やる気を出させるドーパミン、心を安らかにするセロトニン、痛みを抑えるエンドルフィンの働きにもオキシトシンは関わっているということが分ったと言う。

オキシトシンが脳内で分泌されるとストレスに適応することができ、心身への悪影響を和らげてくれます。加えて、オキシトシンは「思いやり」や「信頼」などの感情を促し、私たちの人間関係を築くのに重要な役割を果たしています。

また、オキシトシンは自律神経の働きを改善します。循環器・消化器・呼吸器などの活動をコントロールしている自律神経は、交感神経と副交感神経によって働きを調節していますが、両者のバランスがうまく取れていなくてはうまく働くことはできません。しかし、ストレス社会において交感神経が優位になりがちです。オキシトシンが分泌されると、副交感神経の働きを高めてくれるのです。自律神経が整えば、ストレスに強くなります。結果、胃腸や心臓の調子が良くなり、幸せな気分になれるということです。

最近では、このオキシトシンは、9個のアミノ酸からなるペプチドホルモンで、人工的に作ることができるので、これを外から入れると健康になれるというような宣伝もされています。しかしながら、オキシトシンを日常的に投与し続けるとオキシトシン受容体の感度が鈍化しその効果の減少が懸念されます。従って体外からのオキシトシンの投与ではなく、私たちの体内でオキシトシンの発現を増強する方法を推奨しています。

先生は幸いにも、これまでの研究の結果、体内においてどのような仕組みでオキシトシンの発現が増加するのか解ってきたと言う。

その方法は日常私たちが行っているちょっとした心がけからも可能であるという。「人を思いやったり」「人から大切にされたり」するような積極的な人との関わりを持つことにより、体内オキシトシンの発現を増加させることができるのだ。また触れ合うことでも体内オキシトシンの産生が促されるという。

現在の私たちの社会はストレス社会といわれるように、様々なストレスの中で生活しています。日常のストレスに負けない心身を保つためにも私たちは体内オキシトシンの発現を増加させる方法を学んで、みんなで幸せになりたいものです。

下記にいくつかの体内オキシトシンを増やす方法をご紹介します。

体内オキシトシンを増やす2つのポイント

 

【ポイント1】五感に心地いい刺激を与える

おいしいものを食べる、いい香りをかぐ、好きな音楽を聴く、美しい景色を見るなど、五感を刺激することで、オキシトシンはたくさん放出されます。
また、好きな人とのハグ、キス、セックスなど、体に心地いい刺激を与えることでも、オキシトシンの分泌は促されます。

 

【ポイント2】積極的に人と交流する

人と接することで、自分にも相手にもオキシトシンは分泌されます。直接相手と接しなくとも、関心を持つだけでもオキシトシンの分泌は促されます。オキシトシンはこのように相手に対して思いやりをもって接することで増えることから「愛のホルモン」ともいわれるのはこのような特徴からです。

では、具体的にどんな行動をするといいのでしょうか。私たちが簡単にできる方法をご紹介します。

1、積極的に「あいさつ」する

特に朝のあいさつは効果的で、気持ちよい挨拶はお互いを気持ちよくしますね。
朝の挨拶はなんだかすがすがしい気持ちにさせてくれます。

 2.「ありがとう」と言葉にする。

些細なことでも「ありがとう」という習慣をつけましょう。
感謝することでオキシトシンは増加します。
友人や同僚・部下から悩みを相談されても、「話してくれてありがとう」ということで、オキシトシンは放出されます。
言われた人も受け入れてもらったことで安心し、オキシトシンが出ます。
「ありがとう」という挨拶一つでお互いに健康になれるのですから、こんな素晴らしいことはないですね。

3.友人や仕事仲間とランチをする

友人や同僚と一緒にランチにでも出かけましょう。
このことで、オキシトシンが放出されて午前中にたまったストレスも解消することができます。
最近ではレストランに「おひとりさま」用の席が増えていますが、一人で食事をとるより、誰かと一緒に食事をした方が、オキシトシンは分泌されます。

4.個人ではなく、「グループ」で目標を達成する

これはお互い共感しあうことでオキシトシンは放出されます。お互いの気持ちを理解しあうということです。みんなで一緒に目標に向かっていくことで、みんなで一緒にオキシトシンが増えるのです。
個々で競うより、チームで問題を解決し、成果を出す方がオキシトシンを出やすい環境になります。信頼し、互いに応援することで、オキシトシンはどんどん放出される。そして目標を達成したら、お互いを褒め合うことで、さらにオキシトシンが出てきます。

5.友人や同僚と居酒屋で「グチる」

人との交流でオキシトシンは放出されます。その際に効果的なのが「共感」です。何かの集まりや仕事帰りに喫茶店や居酒屋で会社への不満やグチを言い合うことで、共感が生まれ、ますますオキシトシンが出るというわけです。確かに相手にわかってもらえるとうれしいですよね。

まとめ

高橋先生は自分の思いを相手に伝えるためには、直接会って話すのが一番だと言います。その時には「相手の目を見て話す」ことが重要です。相手の目を見て話すことで、自分の思いがきちんと伝わりますし、信頼関係も高まります。最近はメールでのやり取りが多くなり直接会って話すということが少なくなってきています。友人間やオフィスでも、メールでのやり取りを減らし、直接話すようにすれば、どんどんオキシトシンが分泌されていきます。

相手を思いやると、自分だけでなく相手も幸せな気分になります。このような気持ちになるのはオキシトシンの効果によるものです。

そして、オキシトシンをたくさん放出させるポイントは、五感を満足させることでしたね。

積極的に人と接するようにしましょう。

そして、お互い共感しあいましょう。

この2つを心がけることでオキシトシンをたくさん放出することができます。

オキシトシンの作用でお互いに幸せになりましょう。

 

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