鍼灸師に求められる資質とは|松山市の鍼灸院|半身不随、うつ病、がん、不妊症

中医鍼灸 越智東洋はり院

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鍼灸師に求められる資質とは

掲載原稿一覧 2015年07月01日

掲載雑誌:愛媛鍼灸

現在の鍼灸治療の傾向は安全性や痛くないという観点から接触程度の浅いはり治療を行なう鍼灸師が増えている。どうしてだろうか?

一つには、針を深く刺すためには高い知識と熟練された技術が必要となるが、高い効果を上げるための適切な深さに刺すために必要な「学と術」を身に付けることは容易ではないこと。
二つには、現在の医療界の風潮にあると思われる。最近の鍼灸師は「安全性」や「痛くない」ということを過度に協調する傾向がある。現在の医療界の風潮である「安全性」と、「患者本位」この二つの点が鍼灸業界においてもあまりにも協調されすぎて、本来のはり灸の進むべき方向、治療家としての方向である「針の特長を活かした治療の研究」という方向ではなく「安全性と患者本位」をいかに実現するかに向かっているのではないだろうか。
つまり、現在の接触程度の浅い針を行なう鍼灸師が増えた流は、単に学術を身に付ける事の難しさからくるものではなく、治療に対する考え方からくるものと思われる。

私はこのような傾向は本来針灸の持つすばらしい治療効果が得られないばかりでなく、はり灸の発展にも大きな問題であると考えている。
針には短い物から長い物まであります。なぜ長い針があるのか。これを考えて欲しい。
はりを用いた治療の第1の特長はと聞かれると私は、深い部分を直接刺激できることだと答えるだろう。もし、深部に問題があったり、深い部分に刺激を与えたい場合に、その目的の深さまで刺入し目的の部分に直接刺激することができる。これこそがはり治療だけが持つ最も優れた特長である。その特長があるからこそ他の治療では得ることができない様々な治療効果を発揮することができるのである。
私はこれらのはり治療が持つ特長を活かした治療をすることこそが真の針灸の発展につながると考えている。
全て深く刺せと言っているのではない。治療の目的に合わせて自由自在にはりを操作することができる。この技術こそが鍼灸師が会得しなければならない技術なのではないだろうか。

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