不妊症の治療期間について
産婦人科系 2016年11月16日
今日の午前中に不妊症の治療をしていた患者さんがあいさつに来られました。赤ちゃんをお見せしたくて来ましたとのことでした。赤ちゃんは5か月になったということで、大変元気そうでした。
この患者さんは6か月ぐらい治療したのですが、次の体外受精でダメだったらあきらめますということでそれ以後治療には来られませんでした。その後、突然、赤ちゃんができましたと妊娠10か月ぐらいだと思いますが、1度来られたことがありました。
当院での治療は6か月という短い期間でしたので、私はもう少し頑張ってみてはと思っていたのですが、今回を最後と考えているということを話してくれました。6か月というのは長いようですが、一般的な治療は体質改善を基本としていますので、6か月というのはより妊娠しやすい体質づくりに必要な最低の期間と考えています。また、現在の病院での治療に合わせた治療を行いますので、様々なケースが考えられます。それらのことを考えますと、6か月であきらめるのは速いのかなと思います。
赤ちゃんをあきらめるという決断は大変つらい決断です。しかし、どこかでしなければなりません。今回の患者さんはその決断をしようと考えている最後の移植が成功したというケースでした。
不妊症治療は多額の治療費がかかることでしかたなくあきらめることもあるでしょう。また、治療は大変なストレスとなり、こころも体も疲れ切ってしまい、治療の継続が困難となることもあるでしょう。そのような時に鍼灸治療は大変良い効果を発揮します。
治療を通じて患者さんとは色々なお話をします。治療のこと、家庭のことなどいろいろなことを話してくれます。姑さんがまだできないのかと会うたびに聞かれ、それがいやでなるべく合わないようにしているとか、旦那さんがあまり協力的でないとか、皆さんいろいろな悩みを抱えているようです。何気ない日常のことを話したりもします。
自分の不安を話すことは大切なことで、話すだけでもストレスを軽減することができます。また、マイナス思考となっているこころをプラス思考へと導いてあげることも必要です。そのことで、不安から起こるストレスを少しでも解消することができればと考えています。このことで、鍼灸治療とこころのケアを通じてより妊娠しやすい身体ずく理ができます。
今回はあきらめようと考えていた最後の移植で成功したというケースをご紹介しました。
最後に、今日来られた赤ちゃんが元気に育ってくれることを祈って、このお話を終わりたいと思います。
中医鍼灸 越智東洋はり院