片頭痛の新しい予防薬(抗CGRP抗体薬)|松山市の鍼灸院|半身不随、うつ病、がん、不妊症

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脳神経科系

片頭痛の新しい予防薬(抗CGRP抗体薬) 片頭痛と鍼灸

脳神経科系 2021年10月20日

当院にも多くの片頭痛の患者様が来院しています。片頭痛はなかなか効果が現れにくく、治療期間も比較的長くかかる病気です。また、痛みのために生活や仕事にも支障が出てくるといった患者様にとっては大変困難を伴う病気です。

最近、片頭痛の新しい予防薬が使われるようになりました。抗CGRP抗体薬と言われるものです。エムガルティ(新薬:一般名ガルカネズマブ)に代表されるものです。

これまでの片頭痛薬とどこが違うのか、そのメカニズムは、またどのような治療なのかについてもご紹介いたします。

片頭痛で悩まれている方はご参考にしてください。

これまでのCGRPの作用とは、

人間寝ているときはフラットになっているので頭の位置と心臓の位置が水平です。座ったり立ったりすると脳の環流圧が低下します。それでは困るのでその部分の血管が拡張して血流が維持されています。通常は自律神経性調節レベルで、ノルエピネフリン・アセチルコリン・noなどが関与しています。今回話題となっているCGRPは、緊急時特に立ちくらみとか失神にならないように作動して血管を拡張して脳血流を維持している物質だろうと考えられておりました。

片頭痛とCGRPの関係

ところが最近このCGRPが偏頭痛のメカニズムに極めて重要な役割を果たすことが注目されはじめました。いろんな研究がされましたが、1番わかりやすい研究は偏頭痛の最中に脳から出てくる静脈、頸静脈中のCGRPを測定したらそれは非常にコ高値だった。ところが偏頭痛が終わった後測定した結果ではCGRPが全く正常に戻っていたということでした。これはきっと片頭痛の最中には脳あるいは脳の血管のCGRPが重要な役割を果たすのではないか、そのように言われるようになっているようです。

セロトニンとCGRPの関係

偏頭痛のメカニズムについては昔からセロトニンが注目されてきました。この従来から言われてたセロトニンとCGRPの関連が最近三叉神経を橋渡しとして説明されるようになりました。ここでの仮説といいますのは脳内のセロトニンはこれらのリズムを調節する物質と言われております。これが使われ枯渇して減少して少なくなっている、そうなると今までセロトニンでコントロールされていた三叉神経が抑制から開放されるような形で興奮して三叉神経から脳に向かってCGRPが放出されます。このCGRPは脳の血管を拡張する物質ですので、CGRPによって脳の血管が拡張します。その際に脳の血管からたんぱく質が漏出して炎症まで起こします。血管拡張と炎症によって頭痛が起こる、これが偏頭痛のメカニズムであると言われています。

片頭痛の治療について

それではどう治療すればよいかですが、セロトニンが低下してるのであればそのセロトニンを活性化すればいいのではないかということですが、セロトニンの特に脳に関係する偏頭痛に関係する受容体・レセプターはセロトニンⅠb・Ⅰdと言われており、これを活性化する薬はトリプタンと言われるものです。これはもう20年以上の歴史のある薬です。これがセロトニンからCGRPの放出を抑制するそういったメカニズムを持って働く治療薬と考えられます。

片頭痛の新しい予防薬

それに対してCGRPが三叉神経から放出された後にCGRPを捕まえてブロックするのがCGRP抗体で、それが今回紹介している片頭痛を予防する新しい薬です。片頭痛の薬は治療薬と予防薬というふうに分けることができます。トリプタンというのは半減期が2時間から長くて5時間と言われておりますので急性期の 治療薬として使用されています。それに対して抗CGRP抗体はエムガルティ(新薬)に代表されるもので、予防薬として注目されているものです。これは後退といったことで半減期が非常に長く、30日あるいは28日と言われます。月一回皮下注射すると予防的な作用が一か月間持続するそんな予防作用が期待されています。もう1つこの抗体ということで分子量が大きいのでいろんな臓器の肝臓腎臓そういったところに移行しないだろう、そうすると副作用も少ないだろうそんなふうに期待されていました。これまでのお話は動物実験で得られたデータからの仮説でこの仮説が人でも正しいかということが必要で、片頭痛の臨床試験が日本でも行われました。

臨床試験では、

 ・慢性片頭痛や他の予防薬の効果が不十分な例で、片頭痛の日数が半減している。
 ・平均で月の片頭痛の日数が8.6日から3.6日分減った。
 ・多くの例で使用開始翌月には効果が出ている
 ・臨床試験で6カ月間の使用で片頭痛の日数が減った人の割合は  50%減:59% ・75%減:33% ・100%減:11%。  ★片頭痛発作がゼロになった例が10%を超えているのは注目したい。

主な副作用

・ 注射部位の痛みや腫れ以外に目立った副作用はなさそう。
 ・注射部位疼痛:10.1%、注射部位の腫れ14.9%
 ・めまい、便秘、じんま疹: いずれも1%未満

最後に

どのような良い薬であっても身体には毒となります。ここで紹介したものも薬は外から足りないものを増やしたり減らしたりすることで治療していこうというものでどうしても副作用というものが出てきます。東洋医学は自然治癒能力を高め、病気になりにくい、病気に打ち勝つ身体作りをしていこうというのが基本的な考え方です。当院で行う鍼灸治療は「心身一如」を重視した、その人の体質に合わせたオーダーメイド治療を行っています。体質改善をはかったり、そのことで病気になりにくい、病気に打ち勝つ身体作りをしていこうというものです。当院は中医学に基づく中医鍼灸の専門治療を行う鍼灸院です。中医学は東洋医学の基礎をなすものであり、東洋医学の考え方は中医学がその起源となっています。片頭痛でお悩みの方は一度当院までご相談ください。 

 

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