健康と食事|松山市の鍼灸院|半身不随、うつ病、がん、不妊症

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院長ブログ

健康と食事

院長ブログ 2022年05月18日

今回の内容は、2022年5月12日配信【大人のラヂオ】の内容をまとめたものです。
番組全体の進行は、慶應義塾大学医学教授の坪田一男先生、西澤邦浩さん(出版プロデューサー)、久保田恵里さん(メディカルプロデューサー)。
大変興味深い内容でしたので、お話の要点をまとめて少し私が調べた内容も追加しています。

食生活の改善で寿命が10年延びるとの研究結果、どんな食べ物がベストなのか?
沖縄食は最強?、実は、冷や飯は身体に良かった。このような科学的な研究も紹介します。

査読付きの医学誌であるPLOS Medicineに掲載された最新の研究によると、健康的な食生活を中年から続けた場合は寿命が6~7年延び、若年層から続けた場合は約10年延びる可能性が示されました。
詳細な内容が知りたい方は下記ページをご覧ください。

・Estimating impact of food choices on life expectancy: A modeling study
https://journals.plos.org/plosmedicine/article?id=10.1371/journal.pmed.1003889

・Changing your diet could add ten years to your life – new research
https://theconversation.com/changing-your-diet-could-add-ten-years-to-your-life-new-research-176494

 

典型的な西洋食を健康的な食事に変えたら余命がどのぐらい伸びるのか?

最近、食について巨大なデータを解析した研究が出た。
その研究はどういう研究かというと、西洋の人たちが分析しているので典型的な西洋食についての研究である。
典型的な西洋食をいつの時点から健康的な食に変えていったら余命がどのぐらい伸びるのだろうかというような研究である。
そのベースになっているのが、WHOが公開している「世界の疾病負担」Global Burden of Disease (GBD)というまさに全世界の健康とその生活の関係を見たようなビッグデータ、これにいろいろなところで行われている食事のコホート試験、このメタアナリシスをいくつも集めてまとめたものです。
その結果は二十歳からよい食事に変えると、女性で10.7年、男性で13年余命が寿命が延びるという結果が出たという。
この面白いところは各々の食事の因子ごとの結果も出ている。
一番寿命が延びるのは、豆類の摂取量を増やす。これが一番目である。
二番目には、全粒穀物を増やす。三番目にナッツを増やす。
四番目は赤身肉を減らす。五番目は加工肉を減らす。後ろのものは減らすというものとなっている。

ここで気になったことは、豆類にはちょっと触れているのですが、全粒穀物もナッツも日本の国民に政府がガイドラインとして示している食事ガイドラインでは全く触れていないことです。
この全粒穀物もナッツも、例えば地中海職のガイドラインでもいろいろな国のガイドラインでも頻繁に出てくるものです。
何故、「日本食って健康だよね」とみんな言っているのに、これだけデータのある食品をみんな重視していないのか。
ナッツってあまり話題となっていない。
クリは日本人は好きですね。
よく食べていますが、栗は果実の領域に入る。
ピーナッツもよく食べられているが、実は豆類である。
統計ではナッツ類に含まれている。
日本人が縄文時代前から食べていたのは「クルミ」である。
ナッツ類は、アーモンド、カシューナッツなどが一般的である。
日本原産で昔から食べているものがあまりないので言わないのかなとも思われる。
昔から食べられているものには「トチノミ」などがある。
ただナッツも豆類も種子である。
みんな生命の源のようなものである。
何となくナッツ、種子というのは同じような全粒穀物も同じような食べ物である。
生命の源泉が詰まったようなものがやはりこれだけいいんだなということがわかる。

お魚は食べるとよいというのはないのですか?

あるんですけどこれほど高い項目には出てこない
不思議なことに世界のブルーゾーンの一つと言われている沖縄では、いまだに和食以上に世界の研究の中では伝統的な沖縄食というのは健康的な食事の代表として出てくる。
それほど魚を食べているわけではない。しかも昔の沖縄では大型魚はあまり食べてなく小魚を食べていたりする。
重要なんだけど、今までの人類の長い歴史から見たところ全粒穀物やナッツのような最初のころから身近なものとして食べられていたものが重要な意味を持っている。

今の日本食ではどうか?

今の重要な五つのことを日本に当てはめてみると統計には出てこないけど自分の食べているものから出てほしいなというのは納豆とかである。
これは豆類ですね。絶対よいはずです。
豆腐とか、黒豆とか。ゴマとか。
おそらく豆類については日本人も優秀である。
日本は寿命が長い。今も多分いいことしているはずである。
そういう意味では肉の消費量はあまり多くないし、魚は高い。あまり食べられていない。

白米は身体によくない

1910年とか20年頃は1日おそらく全粒穀物を日本人は70gぐらい食べている。これはすごく優秀である。
アメリカが1日90g全粒穀物を食べたらほとんどの疾患のリスクが下がるからその量を目標にしようと言っている。
もともとの日本人はほぼその量を取っている。
それはいつの間にか始まった白米信仰でどんどん失ってしまった。
日本食は良いが白米は良くないというのは研究者は皆知るところである。
しかし、白米を減らすとファイバーが足らなくなってしまう。穀物を取らないとファイバーが減ってしまう。
私はそこで、大麦を食べるようになってそれを解消することができるようになった。

冷や飯は身体によい

昔はあったかいご飯は一回だけだった。あとは冷や飯を食っていた。
最近わかってきたのは、冷えたごはんにはレジスタントスターチが増える。実際に食物繊維量が倍増する。
消化しにくいので血糖値が急に上がらないということもある。
難消化デンプンというのは不溶性の繊維ですが、普通不溶性の繊維というのは腸で腸内細菌が食えないものが多いのですが、これは完ぺきな餌となる。
しかも不用性だから、一番奥の方まで届く。
あまり大きいので、小さい物しか食べられない乳酸菌などは食べられない。
下の方の大腸がんの好発部位を守っている善玉菌のところまで届く。
そこに住む善玉菌の餌となっているのである。
昔は白米に近いものでも冷や飯食いしていたからよかったのではないか。
冷や飯を食わしてくれてありがとうということです。炭水化物で言うと、ご飯はレンジでチンしない方がよいのか?
レンジでチンすると実は戻ってしまう。
レジスタントスターチは戻ってしまう。
冷たいご飯にお茶をかけて食べるお茶漬けで食べるぐらいは大丈夫である。

獄中に入ると健康になる

逮捕されて獄中に入ると麦飯だからみんな健康になる。
麦ごはんの研究はそういうところで行われたものがある。
入ってきた時と麦ごはんを食べてどれだけ変わったかということで、ちゃんとコホートとなっている。
それ以外は食べれないのである。
麦ごはんのデータは昔はそういうものしかなかった。

老化デンプンはおいしくない、調理法に工夫を

わざと冷やしたり、乾燥させて食べた方がよいということなのか。
冷やすとどうしてもレジスタントスターチという老化デンプンが増えるのであまりおいしくなくなる。
そのため嫌がられていた。
どう食べるかという工夫が必要である。

沖縄食は世界が注目する健康食、その理由は

沖縄の人は、鰹節をよく使う。
1980年代までは根部の使用量も日本で一番多かった。
つまり合わせだしを使う達人だったということが言える。
だしをうまく使うということです。
塩についても鳥取に抜かれましたが、ずっと塩の摂取量も沖縄が一番低かった。
老化でんぷんを含んだものもお汁の中に落とせばおいしく食べられる。そういう意味でも世界が注目する健康食と言える。
改めて今回沖縄食の良さを知らされた。

まとめ

昔からアンチエイジングの基本は食であると言われている。
今回の研究で示されたようなデータを若い人たちに知ってもらいたい。
食育ということが始まっているが、今みたいなエビデンスに基づいた科学的な食育を早くから進めることが必要である。
今回の研究では20歳からということであるが、もっと早くからはじめればもちろんもっと高い効果が期待できる。
また、普通に食べたらおいしくないものを、どように調理すればおいしく食べられるのかということも調理の科学として進んでいくことも必要である。
「医食同源」という言葉がある。病気を治す薬と食べ物とは、本来根源を同じくするものであるということ。
食事に注意することが病気を予防する最善の策である、また、日ごろの食生活も医療に通じるということを示す言葉である。
正に食事は健康につながる第一歩であり、先ずはそこから改善していくことが最も重要なのである。「医食」は医薬と食事、「同源」は根源が同じ意。
すぐに薬に頼るのではなく、先ずは食を中心とした食生活の改善を図り、自然治癒能力を高めることから始めるべきなのである。

 

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