「すこやか小児はり無料体験会」に参加しました「小児まひと鍼灸治療」|松山市の鍼灸院|半身不随、うつ病、がん、不妊症

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小児科系

「すこやか小児はり無料体験会」に参加しました「小児まひと鍼灸治療」

小児科系 2018年11月12日

11月11日(日)に松山市大街道のまちコミュスポットてくるんで開催された「小児はり無料体験会」に参加しました。
この「すこやか小児はり無料体験会」は松山市針灸師協会が主催して行われているボランティア活動です。
毎月第2日曜日の11時~12時に行われています。
私は参加できるときにはできるだけ参加するようにしています。

 

下記、会場アクセスです。
https://www.tekurun-matsuyama.com/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9/

 

 

当日は会場のすぐ前でイベントが行われていました。
今日は希望者が多いかもしれないと期待して会場に入りました。
今回も開始前に何組かの親子ずれの方がお待ちになっています。
私が最初の双子の2歳程度のお子様を担当しました。
二人とも気性が穏やかなお子様で人見知りもせず、大変喜んでいただきました。
そのあと担当したお子様のことについてお話します。

 

この子は4か月ほど前に脊髄炎で右半身が突然マヒを起こしたというおとなしい男の子でした。
現在は、足の方はほぼ回復しましたが、上肢にまひが残っていました。
握手をしようと両手で握手をしたのですが、麻痺側の筋力がかなり落ちていました。
特に肩の周りの筋肉が左右比べるとかなり痩せていました。
体験会ですので、一応一通り小児はりを体験していただき、親御さんとこれまでの治療について聞かせていただきました。
子供は大人と比べると回復する力も高く、リハビリ次第ではかなりの回復も期待できるとお話しました。
これからのリハビリが大変重要で、脳には可塑性があり、脳と腕の筋肉との色々な連絡網が作られてくるので、その連絡網をしっかり作らなければならないということをお話しました。
子供には遊びの中で麻痺側の手を使うような工夫が必要です。
幸いなことに、肩関節付近の筋肉と比べると握力は回復してきており、今後のリハビリ次第では希望が持てるのではないかと思いました。

 

体験後にそのお子様とボール遊びをしました。
なるべく麻痺側のての方へボールを投げてどのような行動をするのかを確認しました。
20回ほどでしょうか。どうしたら麻痺側の手を使ってくれるのかと考えながら左へ投げたり右へ投げたりしました。
どのような遊びがリハビリとなるのかそのような遊びを見つける必要があります。
ボール投げの間にはリハビリの遊びについて思いつかず、残念ですが、アドバイスできませんでした。
お子様は大変喜んで、単純なボール投げでも楽しく遊んでくれました。
最後にバイバイと声をかけると、小さな声ではありましたが、きちんとバイバイと返してくれました。

 

家に帰り、もうそろそろ寝る時間だなと布団に入るとふとその子のことが思い出されました。
その子のことをを考えていると、中国での留学の思い出がよみがえってきました。
私が中国に留学しているときの出来事です。
第一天津附属病院の鍼灸部に鮑せんせいという大変素晴らしい知識と技術を持った先生がいました。
鮑先生の白衣のポケットには素問霊枢という鍼灸のバイブルともいえる本が入っています。
時々それを取り出して何かを確認しているようでした。
私が質問するとその本を取り出してその内容についてここに書いてあると教えてくれます。
先生は伝統的な中国鍼灸治療を実践しているせんせいで、他の先生方に一目置かれる存在でした。
そこでの研修のことが思い出されました。

 

私は二週間ずつすべての鍼灸部の先生の治療室で研修し、その後、どの先生のもとで研修するかを決めようと思っていました。
鍼灸部には10人以上の治療室を持った先生がいます。
治療室は5台から10台ぐらいのベットがあり、先生の実力により部屋が決められています。
その二週間の研修を受けているときの出来事です。
3歳ぐらいの小児麻痺のお子さんが来られました。
先生は泣きながら鍼治療を嫌がっている子供を抑えさせて足三里と承山でしょうか素早く針を刺しました。
お子様はすぐに泣き止み、30分ぐらいでしょうか、置鍼をしたのちに抜鍼して歩かせるという治療でした。
大変単純な治療ですが、この治療では刺鍼の素早さが重要となります。
素早く刺鍼することであっという間に子供の嫌がる刺鍼を終えることができます。
子供は刺針後はすぐに安心し、すぐに泣き止みおとなしくなります。
そのお子様はまた数日後に来られました。
なんと一回の治療で麻痺側の足の筋力に明らかな回復が見られることに驚きました。
また同じように泣きながら鍼治療を嫌がるお子様を抑えさせて素早く針を刺しました。
鮑先生の治療室での研修は2週間だったので数回の治療を拝見することができました。
その中で歩行がかなり改善していました。
私は日本ではこのような治療はお子様の理解が必要なことや乱暴な治療のように見えることから、難しいのかなと当時考えたことを思い出しました。

しかし、治療は効果が出なければ意味はありません。
鮑先生が行ったようになるべく早く治療を始めて、子供が嫌がっても親を説得し、子供のためにも自分の信じた治療をすることが専門化としての義務ではないかと思いました。

 

布団の中で当時のことを思い出したので書かせていただきました。
頑張れよ、そう願いながら眠りにつきました。

 

 

 

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