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中医鍼灸 越智東洋はり院

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がん

免疫療法、妊娠と免疫、妊娠と栄養 (ドクター杉ちゃんのウイークエンドクリニック2021.5.8より)

がん 2021年05月15日

このページはFM愛媛で放送されているドクター杉ちゃんのウイークエンドクリニックの内容をまとめたものです。この番組では、現在愛媛大学病院で行われている最新の情報を紹介しています。大変ためになる内容でしたので、今後も時間があれば、まとめたものをご紹介していきます。

 

パーソナリティー:愛媛大学医学部附属病院長 杉山 隆先生

ゲスト:医学部長 山下 政克先生

キーワード:免疫力は年とともに落ちてくる、がんができる要因、免疫療法、免疫チェックポイント阻害薬、免疫寛容、妊娠と免疫、小さく生んで大きく育てるのは間違っている

 

免疫力は年とともに落ちてくる

免疫の司令塔にT細胞があります。T細胞は胸腺という特殊な臓器で作られます。
胸腺は司令塔を作るために特化した、そのためだけに存在する臓器です。それは加齢とともに小さくなってきます。
年を取るとどんどん小さくなってきて、平均すると五十代でなくなります。そのため五十歳以降は新しい司令塔の供給がないので古いものを使いまわすことになります。
そのため、年を取るとだんだん免疫機能が低下してくると考えられています。

がんができる要因

がん細胞は年を取るとできやすくなります。また、がん細胞は若い時でも体の中で1日千個ぐらいはできると言われています。
それらを免疫の細胞が一つ一つつぶしながらがんの細胞が大きくならないようにしています。
この両面、できやすくなる、抑えにくくなるということから加齢につれてがんが多くなると考えられています。

免疫療法

がんの免疫療法とは、免疫細胞を体の外で増やしてから、がんと闘う免疫細胞を体の中に戻してあげるという治療法です。
基本的には本人の細胞を用います。ただし、最近ではIPS細胞から作ったT細胞を体の中に戻すプロジェクトも進められています。
臓器移植で提供者と型が一致しないと手術できないということを聞いたことがあるかと思います。この型というのは免疫学的な型ということになります。
最近ではいくつかの型をそろえておいて、それをIPS細胞で作り戻すというこれも一つの免疫療法ですが、まだ研究段階ではありますが進められています。

免疫チェックポイント阻害薬

ノーベル賞を受賞した本庶佑先生の研究が基礎となって作られました。一言でいえば、免疫を活性化するものです。
がん細胞がどんどん増えてくると、免疫細胞はがん細胞を攻撃しているうちに疲れ果ててしまいます。疲れ果てると動けなくなりへたってしまいます。そうするとがん細胞は増えてきます。
でもポテンシャルは持っているので、その疲れを免疫チェックポイント阻害剤は解除するように働きます。このように免疫疲弊を解除するものです。例えて言うならば、特殊な栄養ドリンクを飲むようなものです。
副作用については、どの薬もアレルギー反応はある頻度で起こります。この薬自体の副作用としては、気分が悪くなる、疲れやすくなる、食欲がなくなるなどが一般的に診られる副作用です。
このような薬を単体或いは組み合わせて使うことで、がんが進行している方でも元気に過ごして頂く時間を長くすることができます。
これは治療のオプションが広がってきているということになります。この免疫チェックポイント阻害剤は抗体が医薬となったものです。
新型コロナウイルスに話を戻すと新型コロナウイルスのワクチンで抗体ができるということを聞いているかと思いますが、抗体を人工的に作って医薬品としたものの一つがこのチェックポイント阻害剤です。人工的に作らせるのが薬でワクチンはこれを体の中で作らせるものです。
トランプ大統領が新型コロナウイルスに感染して承認されていない薬の注射を打って回復したとされていますが、これも抗体薬の一種です。
ワクチンは自分で作る。チェックポイント阻害剤や抗体医薬は人工的に作ったものを体に入れる。どちらも免疫が使われている事には違いありません。

妊娠と免疫

そもそも妊娠するとお母さんにとって赤ちゃんは異物となります。おなかの中に赤ちゃんが宿ってこの時免疫が強すぎると拒絶してしまいます。
よく免疫をわかりやすく説明するときに抗原と抗体で説明しますが、抗体が強すぎて抗原をやっつけては困ります。
妊娠中は抗体が抗原をやっつけないように免疫力が落ちるようになっています。これを免疫寛容といいます。

免疫寛容

胎児は半分は自分で半分は父方の遺伝子から来ますのでこれをお母さんは異物としてとらえます。
これを体に定着させるためには免疫を一時的に弱めなければなりません。これを免疫寛容と言います。妊娠時にはそのようなことが起こっています。
動物実験では免疫寛容の状態にならないと妊娠しづらい、流産が多くなる。しかし人間に当てはまるかどうかはわかってはいません。
そして胎盤あたりは免疫が強く抑えられています。

妊娠と栄養

お母さんが痩せていて、妊娠しても太れないと赤ちゃんにとっては発育が制限されやすくなります。そういう赤ちゃんが生まれてくると将来太ったり糖尿病になりやすくなると人の疫学研究で証明されています。
これは、お母さんが低栄養の中でも赤ちゃんは一生懸命育とうとする。わずかな栄養が入ってきてそれを蓄えよう蓄えようとする。そして赤ちゃんが生まれ環境が変わります。
それに加えてお母さんは一生懸命食べさせようとします。ため込もうため込もうとしているところに自由に摂取できる状況となり、どんどんため込んでいきます。
重要なことは、お母さんのおなかの中にいた記憶は一生涯残り続けます。

小さく生んで大きく育てるのは間違っている

小さく生んで大きく育てるという考え方は人の健康にとって最悪の環境を作っていることになります。
また、妊娠中のダイエットももってのほかです。
お母さんが太っていて、過栄養で育っていると将来も太ったり糖尿病になりやすいとされています。
これは面白いことで、真逆の環境の過栄養や低栄養という両方において、共に太ったり糖尿病になりやすいとされています。これは真逆な環境で同じような疾患になりやすいという不思議な現象といえます。
新型コロナの感染要因を見ると肥満や糖尿病が入っています。これは、肥満や糖尿病が免疫機能を低下させる要因であるからです。
このように考えると将来にわたる疾患のなりやすさは妊娠時の子宮内環境に関係していると言えます。
お母さんは妊娠する前から太っている人は痩せるように痩せている人は太るように心がける必要があります。
このことが赤ちゃんの一生涯の健康につながるのだということを考えて生活すべきです。

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