眼の視覚系と非視覚系の様々な働き(2021年8月6日『大人のラヂオ』(坪田一男氏ほか)より)|松山市の鍼灸院|半身不随、うつ病、がん、不妊症

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眼の視覚系と非視覚系の様々な働き(2021年8月6日『大人のラヂオ』(坪田一男氏ほか)より)

がん 2021年08月20日

はじめに

 

今回の内容は、2021年8月6日放送【大人のラヂオ】の内容をまとめたものです。
番組全体の進行は、慶應義塾大学医学教授の坪田一男先生、西澤邦浩さん(出版プロデューサー)、久保田恵里さん(メディカルプロデューサー)。
大変興味深い内容でしたので、要点をまとめたものをご紹介したいと思います。

先ず最初に坪田先生の論文が10点ジャーナルに載ったことが紹介されました。
その内容は、下記の内容です。

 

「バイオレットライトが近視のモデルマウスの進行をOPN5を介しておさえます」

 

この内容についても、下記の文書の中で触れています。
下記、キーワード別にまとめてみました。

 

OPN5とは、

我々は光を使って見ている。
どうして見えるかというと光受容体を眼に持っているからである。
実は見るための光受容体は4つある。
ところが、更に五つの非視覚系オプシンといって、見るためだけじゃない非視覚系の受容体が5つある。
なぜ見るためだけじゃない受容体が眼にあるのだろうか。
考えてみると当たり前で、眼ができたのは、5億4300万年前である。
カンブリアの大爆発の時代の地層の中から突然化石として出てきたのである。
生命が光を使い始めたのは、25億年前である。
20億年間の間は眼はなかった。
でもその間、光は使っていた。
光を使って代謝を変えたりと、色々なことをやっていた。
その五つの光受容体の中の一つがこのOPN5である。
このOPN5は紫色の光、バイオレットライトでしか活性化しない。
正確に言うと、380nmの光でしか活性化しない。
紫外線はその外にあり、360nm以下である。
紫外線は見えない光で、バイオレットライトは見える光である。 

「外で遊んでいる子供は近視にならない」、「バイオレットライトで近視が予防できる」

我々は2017年、今から四年前に「バイオレットライトで近視が予防できる」ということを発見した。これは昔から、

「外で遊んでいる子供は近視にならない」

と言われていた。疫学研究でも一日二時間外にいると近視にならないとされている。
なぜ外にいると近視にならないのかわからなかった。
これを慶応大学の鳥居・栗原チームが、外にはバイオレットライトがいっぱいあって、これがあると近視にならないということを、ヒトとネズミとひよこで証明した。
しかし、なぜバイオレットライトが近視を抑制するのかはわからなかった。
ついにそれが、OPN5によるものであるということがわかった。
OPN5のないノックアウトマウスを使うと効果がなかった。

 

「OPN5は、発達の時の眼の血管と関係している」

西座は:単純な疑問ですが、OPNシリーズは、見るためではない受容体ということだったのですが、見ることに非常に関係のある近視、見る行為に非常に関わっているところとの関係はどうなっているのですか。 もともとこの共同研究者のリチャード・ラング先生が、2年前に「OPN5は、発達の時の眼の血管と関係している」という論文を『nature neuron science』に出している。
血管と関係するということはわかっていた。我々がこの論文の中でさらに注目したのは、OPNⅴが刺激されると、眼の血流がよくなるということである。
血管と関係しているのである。
近視になると脈絡膜という眼の血液の80%を供給している血管の幕が薄くなってしまい、ぺらぺらとなり、虚血状体となる。
ところが、OPN5が刺激されるとちゃんと脈絡膜の血流が保持され、ちゃんと眼の形が保たれる。

 

西沢:お日様のエネルギーを得るために眼はあって、それを受けることでしっかりと血流が良くなるという関係性があることが明確となった。

 

OPN5は、色々な視覚系と非視覚系のオプシンの変異を調べたところ、最も変異していないことがわかっている。
種族間の間で、哺乳類とか鳥類とか魚類とかのOPN5を調べると全然変わっていないことがわかっている。
もしかすると近視以外にもっと大事な仕事をしているのかもしれない。

最近見つけたのは、視覚は中枢系であり、脳も同じ中枢神経系である。
眼だけではなく、脳の血流も上げる
お日様を浴びないと脳の血流は増加しない
西沢さんがコロナ時代になってうつ病が2倍ぐらい増えたと言っていたことがそのことにつながる。

 

お日様を浴びないと脳の血流は増加しない

西沢:OECDが、世界中のデータを集めて発表したものですが、ほぼ二倍ぐらいにうつとか不安症が増えたというデータが出ている。
そもそも非常にパーセンテージの高い国もあるのですが、日本はもともと高くなく、7~8%から14から15%と約2倍になっていた。 我々は子供の場合には外で遊ばないと近視になり、大人は外で遊ばないとこれは仮説であるが、うつ病や認知症、アルツハイマーになるのではないかと考えている。
これは公表されているので言いますが、NEDO(経産省の外郭団体)から、「バイオレットライトによるうつ病予防」に9,000万円を受けて研究しており、良い結果が得られており、近々公表する予定である。太陽の下で遊んでいるとなにか健康に良さそうである。
そのサイエンスが一つOPN5というリセプタを介して説明できる部分があると思います。

OPN5とリラックス

単にライトを浴びると暖かいので、血流がよくなると考えますが、これは表面の問題で、脳の中にまでということになると説明できない。
でも、暖かいとリラックスする。
OPN5は皮膚にもあり、もしかするとリラックスすることと何か関係しているのかもしれない。 西沢:皮膚のOPN5は何をしているのかまだわかってはいないのですか。 

OPN3は、日焼けと関係していることがわかっている。日焼け防止のメラニンを作るなど。
OPNⅴは、毛根のところにたくさんあって、毛の成長と関係しているのかもしれない。

 

ライフスタイル・ディスオーダー

西沢:先生はバイオレットライトとか近視についてずいぶん前からおっしゃっていましたが、まさにJAMAのアメリカの眼の医学雑誌の中に、「2020年はすごもりによる近視の年だった」と書かれています。
おそらくこのベースとなったのは、「中国で近視が増えた」という、6歳~8歳で、1.何倍~3倍まで増えたというもので、小さい子の方が3倍ほど増えていたという報告からではないかと思います。
これらについての原理を示したのではないでしょうか。 そこまではいかないが、これはライフスタイルディスオーダーである。
人類は車社会となり運動が減って、肥満になりました。
カーボハイドレート(炭水化物)、パンとかご飯を食べるようになり、肥満になりました。
ブルーライトを夜見るようになって、睡眠障害になりました。
近視もそういう意味では、人類は、家を作って、高層ビルを作って、大気汚染などあるから外へ行かなくなりました。
というこのようなライフスタイルによって近視は増えた。ライフスタイル病である。
人類のライフスタイル病の一つを何とかしたいなと思っている。 

お日様とビタミンDとガン

西沢:そういう意味では186か国のデータを分析したという面白い本が出ている。
「お日様に当たらないと大腸癌が増える」というものです。
特に結腸直腸癌の発生が多くなっており、年齢が高くなるほど負の関係が強くなる。
ビタミンDの受容体は全身にあるのですが、腸の中にもすごくたくさんの受容体がある。
ある程度ビタミンDの量が上ると、腸の中でビタミンDの受容体が反応し、CD5T細胞などのある種のT細胞が急激に活動し始め、免疫を上げていくと考えられている。
これはお日様などで皮膚でビタミンDを作っても何らかの形で腸の受容体が反応して免疫の維持につながっているのかも。
お日様が直接届かないところなのに関係しているということです。 確かに、皮膚を除くすべての癌の発生率が低下することはわかっている。
大腸だけではなく、肺がんもその他のがんも、そのことからするとビタミンDはすごいということです。 

西座は:ビタミンDは紫外線ですけど、
紫外線はビタミンD
バイオレットライトは近視
ブルーライトは体内時計を動かす
そうすると各々の太陽光のゾーンごとに役割りがあるということになる。

大変すごいことである。

 

OPN5と皮膚との関係

ブルーライトはある程度研究が進んでおり、
OPN4では、脳のいろいろなところへ投射している。
OPN5も今ちょうど論文を出すところなのでここでは言えないが、OPN5も脳の特別なところへ行っている。
それがうつと関係しているところなので、そのことからもうつにとってすごく重要と考えられる。OPN5を刺激するのには皮膚からもできるが、眼からの発現の方が圧倒的に多い。
また、OPN5が体温に関係しているという論文も出ている。
OPN5は脳からも出ており、それは脳のOPN5が関係しており、皮膚とは関係ないという論文も出ているのでまだ複雑なものと考えられる。 西沢:オキシトシンは普通は脳から出るのだが、皮膚の専門家からは皮膚をなでると皮膚の細胞からオキシトシンが出るという
もしかすると光も皮膚で何かしているのかもしれない。

 

そういうことも含めてまだわからないことばかりである。
20万年前に我々ホモサピエンスが生まれた時は、裸ん坊だった。
お家にいるのは1万年ぐらい前からである。そう考えると19万年間は外にいたわけである。裸ん坊でいたのである。

 

「眼はカメラ、そしてスマートフォンである」

久保田:眼は昔はカメラであり、それ以外の作用として時計であると言っていた。 「眼はカメラ、そして時計である。」 

久保田:今はどのように考えますか。

 

「眼はカメラ、そしてスマートフォンである」

 

スマートフォンは情報機器ということで、時間も決めているけれども、眼の中にはアプリがたくさん入っている。
情報の80%は眼から入ってくる。
これまでは視覚と言っていた情報の中に、視覚以外に非視覚が混じっていたということです。
視覚でない情報も眼が情報機器となって何かをしているということです。

光を直接的にエネルギーに変えるシステム

西沢:では、OPNの1から4もわかっているのですか。 OPNの1~2は視覚系である。
1は、色を見ている。
2は、杆体と言って星明りを見るもの、弱い明りで働く。
あと、3、4、5があって、
その他に、RGRとRLHというのがある。
それぞれ面白い働きをしている。
RGRは、面白い働きをしており、
我々は、光を見るとシス型というレチナール(ビタミンA)がトランス型に変わる。
それをまた、エネルギー(ATP)を使ってまた元に戻しているというそのような機能がある。
ところがこのRGRは、そのことを光のエネルギーを使ってどうやら眼の中でやっている。
人類も植物と同じように太陽の光をエネルギーとして使っている。
エネルギーというと僕たちはご飯を食べてエネルギーを作っていると思っている。
そうではなく、光を直接的にエネルギーに変えるシステムがついに見つかったということである。 

西沢:ほとんど光合成的なシステムですね。
昔小食の人たちの取材をしたことがある。
どう考えてもこの人は一日300カロリーぐらいしか摂っていないのに、体重が減らない。
一日何をやっているのですかと尋ねると、このように日向ぼっこをしているという。僕は光合成ができると思うという。
何らかの作用である程度光から取り込んだエネルギーをカロリーにしているのではないかと考えられる。
マジかと思いましたが、食べてないのに体重が減らないのはおかしいですから…。
サモアの人たちで、ヤムイモだけを食べているのに、筋肉隆々というのは、腸内細菌が糖からたんぱく質を作っているということも最近わかってきたことです。
それだって最近わかってきたことですから…。
そういう意味では、光を利用する機能も先生が言われたように、昔は裸ん坊だったわけで、もともとたくさん持っていたものを退化させているのかもしれない。

 

確かに非視覚系は退化してきている。
それでも人間は5つ持っている。
この5つは必要だったのだろう。
メダカはまだ非視覚系を40個ぐらい持っている。
何に使われているかはわかっていないが40個ぐらいあることはわかっている。

 

「眼は心の窓であり、脳の窓である」

いま順天堂大学のパーキンソンで有名な服部先生にご指導いただいている。
彼は

「眼は心の窓であり、脳の窓である」

といっている。
そういう意味では、OPN5を介して脳の血流を上げるなど、もっといろいろなことをやっているかもしれない。
これらはパーキンソンにも関ってくる内容である。。

 

まとめ

どうでしたか、大変面白い内容だったかと思います。
眼から、近視、脳の血流、がん、うつ病、パーキンソン氏病など様々な病気につながるという今後の研究が待たれる興味深い内容ばかりでしたね。
このような時代だからこそ、皆さんも積極的に外に出て、お日様をいっぱい浴びるよう努力しましょう。

 

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