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中医鍼灸 越智東洋はり院

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脳神経科系

アミロイドpetについて (アルツハイマー病の診断と治療) 認知症と鍼灸治療

脳神経科系 2021年12月15日

当院では認知症、主に軽度認知症に対する鍼灸治療を行っています。
当院で行う鍼灸治療は、三焦鍼法を基本とし、各々の患者様の症状に応じたツボを加えた治療を行っています。

三焦鍼法とは、中国天津中医薬大学の韓景献教授が開発した鍼灸治療法です。

 

・週1回ペースで四回に一回の鍼灸治療の効果判定を行います。

当院では認知症の評価判定は下記の4つの質問紙を用いますが、主に②の「認知症関連 各種評価法 MMSE認知能のテスト」を用います。

 

【当院で用いる評価法】
①認知症関連 各種評価法 FAST認知症重症度判定表
②認知症関連 各種評価法 MMSE認知能のテスト
③認知症関連 各種評価法 N-ADL日常生活動作評価表
④認知症関連 各種評価法 NPIメンタル負担度評価表

 

・三か月を一クールとして治療を行います。

詳細につきましては、ご気軽に当院までお問い合わせください。

 

今回の内容は、12月7日に放送された「ドクターサロン」の内容をまとめたものです。

テーマ:「認知症の画像診断」、講師:東京都健康長寿医療センター研究所 神経画像研究チーム 研究部長 石井賢二先生、きき手:順天堂大学教授 池田志斈先生でした。

 

主にアルツハイマーの検査に用いられるアミロイドpetについて、また、現在の認知症に関わる最新の診断治療の動向なども紹介されていました。
大変わかりやすくお話していましたので、ご紹介させていただきます。
参考にしてください。

 

アミロイドpet検査について

・ これはどのような患者さんを検査するものでしょうか。

アルツハイマー病の患者さんが対象として想定されます。
アミロイドというのは、アルツハイマー病の診断は臨床的には診断基準がありまして症状に応じて診断をしますけれども、確定診断は病理診断です。
アルツハイマーの患者さんの脳には老人班と神経原線維変化という2つの特徴的な構造が現れることが知られております。
老人班がアミロイドベータが凝集して沈着してできたんだというふうに言われております。
一方、神経原線維変化はタオ蛋白が沈着してできたもので、その老人半と神経原線維変化のうちの老人班を画像として目で見ることができる検査がアミロイドpet検査です。

アルツハイマー病の病理

・アミロイドベータ蛋白は症状が出るかなり前から脳内に沈着してくると聞いているのですが、どのぐらい前からでしょうか。

病理学的な検査とか、アミロイドpetの検査が実用化してからたくさんの方を検査してわかったことですけれども、実際には認知症の症状が始まるよりも20年から30年ぐらい前から症状が何もない時から脳内に沈着をし始めるということが知られています。

・もう一つのタオ蛋白との関係はどのようになっているのですか。

先ず、アミロイドが先行して実際にはまだ症状がない状態でこの蛋白の沈着が始まる。ある程度このアミロイド蛋白が脳の中に溜まってくるとそれが神経原線維変化というもう一つの病態を引き起こすのではないかというふうに言われております。
この神経原生変化は神経細胞の中に溜まってくるんですけれども、これが始まりますと神経細胞の働き或いは構造が失われて、そうすると症状に直結するということになります。
ですので、実際に症状が現れて進行して行くのとほぼ同時期に神経原線維化が現れて広がっていくと言うことになります。

・では、イメージとして、まずアミロイドベータ蛋白が20年~30年かけて増えてきていて、そしてその間にいつの日かからタオ蛋白が集積してくる、そして神経繊維が変性していく。もう症状がある時にはタオ蛋白がある程度集積していて神経芽やられている。
じゃあ実際に我々がアルツハイマー病の患者を診ているときは、もうアミロイド蛋白がだいぶ溜まってきているということですね。

既に溜まりきっていて、その後、神経線維にタオ蛋白が溜まってきている、進行している状態を見ていると言うことになります。

アルツハイマー病の治療について

・最近このアミロイドベータ蛋白に対する治療法が開発されたようですけれども、原理的にはやはりそのあまりたまってない方を治療するんでしょうか。

そうですね、1番はこういうアミロイド蛋白を落とすような抗体薬とかワクチンが開発されてアルツハイマー型の進行の抑制、症状の改善が期待されて治験がされてきましたけれども、やはり症状が進行した方にはなかなか効果も得られにくいということで、おそらく早い時期の方が効果が大きいだろうというふうに考えられています。
ですので、最近話題になって米国で承認された薬もアルツハイマー病認知症の軽度の方あるいは軽度認知障害、まだ認知症には至っていないけれども物忘れなどの症状が出ているそういうふうな時期のかたが良い対象ではないかと考えられて治験が行われたわけです。

・一方タオ蛋白に対する何か治療はありますか。

有効性を高める蛋白自体を標的にしたお薬も色々考えられていて、例えば蛋白そのものが発言しないようにするような薬とか、それからタオ蛋白が広がるのを抑える薬、やはり抗体薬ですけれどもそうしたを薬が今治験の段階ですけれども、開発されて検証が行われているところです。

・そういう薬ですとタオ蛋白に対する治療とアミロイドベータに対する治療を両方やることによってある程度進行した人にも期待が持てるかなということですね。

その通りで病態のメカニズムは非常に複雑ですから複数の標的を同時に治療していくっていうことが有効性を高める可能性が高いと思います。

アミロイドpetの保険適応について

・現時点においてアミロイドベータに対する抗体薬はあるけれども、みんなに使えるわけではありませんね。このアミロイドpet検査は保険適用になってるんでしょうか。

まだ保険適用にはなってないです。
その理由は色々と言われておりますけれども、アミロイドつまり老人班があるかないかを診断するということはアルツハイマー病があるかないかっていうのをかなりはっきりさせることが出来るんですよね。
ですけれども 検査自体はかなり高価な検査診断技術になります。
一方でその診断した結果、治療がないと言う診断は保険収載することができないんじゃないかというような議論もございまして、治療あっての診断という考え方がやはり医療経済的なバランスからみてもそういう考えでございましたので、アミロイドpetの検査自体はかなり古いものですけれども今日までまだ保険収載されていません。

・確かに治療法がないというところで、無暗やたらに診断をつけてあるいは将来的には本当にアルツハイマーの病気になるかどうか分からない方を含めて検査していくというのはちょっと医療的にも無駄だということですね。あるいは その患者さんと家族に不要な心配を与えてしまうという倫理的な問題がございますので、今は試験的にこの検査がやられているということなんでしょうか。

医療経済のバランスで保険収載をされてませんけれども診療の中で陽性の高い場合はいくつかあるということは言われております。
1つは症状が典型的でなくて診断に苦しむような方ですね。そういう場合には色んな検査を繰り返したり治療を適切にできないということがあります。
もう1つは若年性の認知症で若い方の場合には比較的早期に見つかることが多いですし、インパクトも高いと言うことでそういう方には役に立つかもしれないと言われています。
ただ治療がなければやはり保険収載はできないだろうというのが今までの議論です。
一方では治療薬が出てきますと、今回アメリカで承認されたような薬が出てくるとやはりアミロイドを減らすお薬ですのでアミロイドのない方に使っても効果ないのでこの検査によって治療の対象者の選択をするっていうそういう使い道が出てきます。

若年性のアルツハイマー病について

・先ほど若年者の方でアミロイドが沈着していくような方がいらっしゃるという話なんですけどもこれはどのような方なんでしょうか。

若年性の場合には遺伝的な背景がある方が多く含まれると言われています。
必ずしも全てがそうではないのですけれども、アミロイドベータ蛋白が溜まってくる背景としては、その元になるタンパク質がたくさん賛成するか、あるいは新陳代謝がございますのでその除去する機能が落ちてくるか、あるいは両者かと言われています。
若い方で発症する場合には遺伝的にアミロイドベータがたくさん産生されたり、あるいは凝集性の高いタンパク質が産生されるようなそういう変異を持った方が遺伝性のアルツハイマー病になると言われております。

高齢者のアルツハイマー病について

・アミロイド蛋白の生成と除去が異常になっているということ、あとは何かございますか。

高齢の方の場合は年齢が上がるとアルツハイマー病の頻度が高くなります。
それはおそらく加齢変化によってその除去する方、クリアランスの機能が低下してくるから溜まりやすくなるのではないかと言われています。

アミロイドpetの有用性について

・・家族性と言いますか、おじいちゃん、おばあちゃんが比較的若い時になったりして家族の方はすごく苦労されると思うんですけどそういった家族例そういう方にはこのアミロイドpet検査というのは有用なんでしょうか。

そうですねやはり診断をつける、そういう背景を明らかにするという意味では情報を与えてくれると思います。
一方では治療に結びつかないようなそうした情報を明らかにしてしまうかもしれないということでこの検査をすること自体は治療とのバランスを充分に考えて行わないと、先ほど述べたような様々な不安を巻き起こしたり倫理的な問題が出てきたりということがあると考えられます。

・例えばおじいちゃんおばあちゃんがアルツハイマーになっていてそして家族歴がある、そしてまだ30歳40歳である。そういう方が検査を受ける。10年・20年たつと良い薬が出てくるかもしれない。そういう方が検査をする意味があるのでしょうか。

診療として推奨されるかどうかと言う場合は別の考え方をしないといけないんですけれども、病態を明らかにしたり、どういう治療法を介入できるかというのが研究ですね、臨床研究する、治験としてそうした家族歴のある方に対して検査をして将来の診断法や治療法を開発するっていうそういう趣旨のもとで検査を受けていただくということは実はかなりやられております。
ただ一般の診療として1人の患者さんがそういう方が来られたときにじゃあ一回こういうケースをやるとどのぐらいの意味があるのかというのはやはりかなりまだ疑問なところがあると思います。十分注意深くやる必要があるかと思います。

・いろんな臨床研究が進んでいますので、1つのレジストリ的な感じで登録すると言うことで使われるということですね。

我が国でもそういった臨床研究が行われておりますので、関心のある方はリサーチして参加していただければと思います。

 

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