MCIスクリーニング検査について (アルツハイマー病の予防と治療) 認知症と鍼灸治療|松山市の鍼灸院|半身不随、うつ病、がん、不妊症

中医鍼灸 越智東洋はり院

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脳神経科系

MCIスクリーニング検査について (アルツハイマー病の予防と治療) 認知症と鍼灸治療

脳神経科系 2021年12月24日

当院では認知症、主に軽度認知症に対する鍼灸治療を行っています。
当院で行う鍼灸治療は、三焦鍼法を基本とし、各々の患者様の症状に応じたツボを加えた治療を行っています。

三焦鍼法とは、中国天津中医薬大学の韓景献教授が開発した鍼灸治療法です。

 

・週1回ペースで四回に一回の鍼灸治療の効果判定を行います。

当院では認知症の評価判定は下記の4つの質問紙を用いますが、主に②の「認知症関連 各種評価法 MMSE認知能のテスト」を用います。

 

【当院で用いる評価法】
①認知症関連 各種評価法 FAST認知症重症度判定表
②認知症関連 各種評価法 MMSE認知能のテスト
③認知症関連 各種評価法 N-ADL日常生活動作評価表
④認知症関連 各種評価法 NPIメンタル負担度評価表

 

・三か月を一クールとして治療を行います。

詳細につきましては、ご気軽に当院までお問い合わせください。

 

今回は認知症の一歩手前の軽度認知障害(MCI)であるかどうかを血液一滴で検査できるという最新の検査法と言えるだろうMCIスクリーニング検査に関する内容です。
この内容は2021年12月17日配信②(㈱MCBI社長・筑波大准教授、内田和彦氏)の内容をまとめたものです。下記参照。
認知症予防に役立つ大変参考となる情報でしたのでご紹介させていただきます。

 

今回のゲストは、筑波大学医学医療系准教授で、株式会社MCBI社長の内田和彦氏。
聞き手は、辻留奈さんです。
なお、大学発ベンチャー企業㈱MCBIは、MCBI|軽度認知障害(MCI)を早期発見する血液検査)をクリックください。

 

筑波大学初のベンチャー企業

・株式会社MCBIとはどのような会社ですか。

基本的には健康をターゲットにして事業を展開しています。
私たちが特に注目しているのは、今多くの、高齢者の問題となっている認知症です。
認知症というのは長い期間かけて病気ができてきて、そして最後、物忘れが出てきて生活に支障が出てくるというものです。
その症状が出る前になるべく早い段階で介入と言いますけれども、治療に相当する、予防に相当するかもしれませんが、そういうことができないかということで血液の検査を開発しました。
これはMCIスクリーニング検査と言いますけれども、その検査を用いて早期認知症を発見していこうというものです。
MCIは、軽度認知障害のことで、大体認知症になる3年から5年ぐらい前でイメージしていいと思いますけれども、この時期であれば物忘れが多少あったとしても年相応の物忘れです。
この時に検査によって見える化することで、何とか高齢期における健康の維持に貢献できないかということで研究を続けています。
血液の中の病気の目印になるような蛋白質、若しくは小さい分子ですとペプチドと言いますけれどもそういうものがないかということを探索ですね、血液を解析して片っ端から蛋白質を調べて、先ほど申し上げた認知症であれば、認知症の人に特徴的な蛋白質の量の変化、そういうものを調べるという研究から少し発展させて、それをさらに事業化、一般の人に還元するということでの大学初のベンチャー企業を設立しました。

MCIスクリーニング検査方法について

・土田さんは研究者でもあり経営者でもあるということなんですが、このMCBI都いう会社では認知症の前の段階MCI軽度認知障害を早期発見できる検査を行っているということなんですが、その検査方法について詳しく教えてください。

先ほど申し上げた軽度認知障害これは、Mild Cognitive Impairmentというのを略してMCIと呼びます。
認知症にはいくつか種類があります。1番一般的に皆さん知っているのは、アルツハイマー型の認知症です。アルツハイマー病といいます。それ以外にもレビー小体型認知症とか前頭側頭葉型認知症、脳梗塞や脳出血の後に出てくる血管性認知症というのがあります。
軽度認知障害というのはそれらの前区状態ですので、MCIと診断されてどういうタイプの認知症になるかというのは何となくはわかるのですけれども確定的にアルツハイマー型の認知症の前区段階ですというのはなかなか難しいです。
ただ、アルツハイマー病の場合は、物忘れが先行しますので、そういうタイプのMCIであれば、アルツハイマー病に進むだろう、Alzheimer’s disease 、略: ADと言いますが、そのような特徴はあります。
MCIの特徴というのは、大体3年から4年経つと3割から四割の人が認知症に確かに進むのですけれども、それ以外の人は何もしなくても認知機能健常状態に戻るということがわかっています。

・すべての人が3~4年で認知症に進むわけではないのですね。

いま世界中で疫学研究が行われており、どういう行動・生活をしていれば認知症にならずに済むのか、若しくは進んでしまうのか、このような研究が行われています。
今のところははっきりした答えはないのですけれども、ある意味振り子のようにどっちにも行くそういう状態なんですね。
ということは、MCIの状態で見つかれば適切な生活習慣に変えたり、もしかして将来新しい薬が出てきた時に健康状態、つまり加齢に伴う一般的な物忘れに戻すことができるかもしれない。
一法認知症になった後は対症療法としてアリセプトという薬もありますが、だんだん悪くなって元に戻るということは難しい
認知症は進んでしまうとそこから戻ることはないのです。

・認知症になるひとつ前の段階、軽度認知障害MCIの段階で発見できるということはすごく社会的意義もあって大事なことだということなのですが、このMCIスクリーニング検査はどのように発見できるのですか。どのような検査を受けるのでしょうか。

MCIスクリーニング検査は、血液を血漿成分、若しくは血清成分に分離した後、その中の蛋白質を調べます。
私たちが見つけた治験、論文で発見した内容というのは、栄養状態と脂質代謝、それから免疫系に代表する三つの蛋白質を調べます。
この三つの蛋白質を調べるとMCIの方と認知機能健常の高齢者の方を比較しますと、大体7割から8割の精度で識別できるということがわかりました。
それを今現在MCIスクリーニング検査として多くの医療機関、約2500以上の医療機関で採用していただいています。
高齢者を問わず、高齢者と言いますと65歳以上を指しますが、できれば50歳ぐらいから受けていただければ、認知症の予防として血液検査による見える化で自分たちのリスクを知って、そのうえで予防に取り組んでいただければ認知症にならずに済むことができますので、積極的にこの検査を受けていただき、健康な高齢期と言いますか健康な老後を過ごすということに貢献できればと思っています。

・検査、特に血液検査と聞くと結構な量の血液を取られるんじゃないかなって私は身構えてしまうんですが、もうちょっと気軽な気持ちで受けられるんですかね。

検診と同じです。ほぼ検診のイメージで大丈夫です。
私どもは今抗体を使って調べる検査を行っていますけれども、10月から島津製作所さんと協力してLCマス検査をはじめました。
これは一滴の血液で先ほど三つの蛋白と言いましたが、今それが増えて9種類の蛋白でMCIのリスクを検査します。
先ほど栄養と脂質代謝と免疫と言いましたけれどももう一つ凝固線溶、血液が固まる過程、固まって解ける過程の凝固線溶系に関わる蛋白質、これも実は認知症のリスクに関わっていることがわかっています。それらで更に精度の高いものにバージョンアップしました。
それらが血液一滴で検査できます。
さすがに一滴ということで検診などでとるのは難しいので、今あるルーチンで行っている細血管から少し分けて検査に回す、そういう形をとっています。

軽度認知障害(MCI)における認知症予防について

・認知症になる前の段階、軽度認知障害MCIの段階で一緒に住んでいる家族が気付けるような症状にはどんな症状がありますか。

アルツハイマー病は物忘れが先行します。名前を思い出しにくいなど、俳優さんの名前が出てこないなどはよくあります。年を取ると更に多くなってしまいます。
それらは何かのきっかけがあれば思い出したりします。後になってからあっそうだったというのは引出しからちゃんと取り出せるもので、これらは健康な、加齢による物忘れです。
病気の物忘れというのは認知症につながるのですが、典型的なものは行動そのもの、駐車場に車を止めて、どこに止めたか忘れることは私たちにもよくありますが、車で行ったことを忘れて電車で帰ってしまう。朝ご飯を食べたのにご飯はまだかと食べたこと自体を忘れてしまう。このように行動を忘れてしまうのは病気の物忘れです。

・もし普段から気を付けられることがあるとしたら、認知症にならないために何かありますか。

最近認知症の研究はすごく進んでいます。世界でも加速度的に進んています。
WHOも明確に言っているのは、高血圧、糖尿病などの生活習慣病は認知症のリスクです。
ですから生活習慣病をできるだけコントロールする。しかし、生活習慣病には自覚症状がほとんどありません。
まず何したらいいのかと聞かれたら、先ずは生活習慣病のある方は生活習慣病をきちんとコントロールすることです。
もう一つは社会的な接点を保つことがよいと言われています。特に男性ですが、定年退職した後に一日中家にいて朝から晩までテレビを見ていると非常にリスクが高まります。どういう訳か女性はいろいろなところへ出ていきます。

・ということは生活習慣病にならないように気を付ける。運動をしたり、食事に気を付けたり、よい睡眠を取ったりということは認知症の予防にもつながるのですね。

睡眠についてですが、アルツハイマー病も脳は一生懸命働くので脳にも老廃物、ゴミが出てくる。
ごみは脳にとっても良くないのでさっと身体の中に洗い流されていきます。
睡眠というのはすごく大事で寝てる間に流されていくとイメージしていただけるとわかりやすいと思います。
質の良い睡眠をとっていただくことは中年期からの予防に非常に大切だと思います。

・MCIスクリーニング検査で実際にMCIとわかった場合はどのような対応をするのですか。

MCIスクリーニング検査というのはあくまでもスクリーニング検査で診断の補助としては位置付けていません。診断としても役に立つのは研究のデータから明らかなのですが、治療を開始するのがいまのルールでは認知症という診断がついてから、認知症に進んだ状態からとなります。それから治療と言うとなかなか効果は得られません。遅いんです。
ですからそれよりもっと前の認知症症状が出る前の状態、もちろんその状態では記憶障害などはないのですが、この検査をやっていただくとそれが血液の検査で、あと10年たったら物忘れが出てくるかもしれませんよというような気付きになるかもしれない。
それを定期的に受けていただくことで、予防への取り組みにつながればと思っています。

・予防への取り組みということですが、具体的にはどのようなことをされているのですか。

生活習慣病については、すぐ治しましょう。
それ以外には実は運動が一番良いと言われています。世界中からエビデンスもたくさん出ています。
例えば、週4回、一日30分程度、軽く汗をかく程度の運動を少なくとも半年間継続していただくと、明らかに効果が出ます。
汗をかく程度というのは息が少し切れるぐらいの速さで30分ぐらい散歩する。早歩きですね。
プラスお友達と一緒であればもっと良い。お互いに話しながら、しりとりなどしながら、クイズを出しながら、これをデュアルタスクと言いますけれども、身体を動かしながら違うことをする。
そういうことからすると実は私たちというのは仕事をしているとデュアルタスクどころかマルチタスクなのです。
料理などもそうです。一度に並行していろいろなことをする訳です。すごく脳にとって良いのです。それらをずっと続けることが最もよいのです。
そういうことからすると高齢になっても元気で働くというのが一番良いのです。

まとめ

締めくくりは、高齢になっても元気で働くのが一番良いということでした。
やはり認知症も若い頃からの健康管理が最も重要で、高血圧や糖尿病などの生活習慣病にならないような生活習慣を身に着けることが大切なのです。
そういうことからすると、鍼灸治療は生活習慣病の予防や認知症の一つ手前の段階である軽度認知機能障害MCIから認知症へ進まないように予防することに貢献できるものと考えています。
上記にありましたようにMCIの状態から3年~4年で3割~4割の人が認知症に進むということですが、この段階で鍼灸治療(三焦鍼法を基本とした治療)を行うことでこの3割~4割の方でも認知症に進まないように予防できる可能性があります。

お気軽に当院までご相談ください。

 

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